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美しい国へ・・・・

 小泉さんから安倍さんにバトンタッチされたようですが、これからどのように、何が変わっていくのか。本屋に行くと『美しい国へ』『国家の品格』とかいう本が高く積まれていましたが、買う気にはなれませんでした。週刊誌のブックリビューで内容は紹介されていたので、その段階で買うつもりは消えうせていました。そもそも誰にとって美しい国なのか、格差も性別も年齢も、学歴も職業も民族も関係ないところに安倍さんのいう美しさは、どのように作られるのだろうか。日本人とはそんなに一枚岩的な存在として把握しているのだろうか。先月、ハト山会館に行き、四世代にわたって一世紀以上この国の政治にかかわってきた人のお屋敷を見てきた。父方母方をさかのぼるならば安倍さんも共通点の多い家柄といえるのだろうか。二世どころではない、三世、四世である。別に何世であっても問題はその内容であることは間違いないが、<日本人の誇り>やら<国家の品格>というような言葉で彼らが語るものの内実は、戦後で回った日本人論を書き換えるものはないようにみえる。自然に対する感受性とか、武士道精神とか、外国人に問われて答えることのできて誇りに思える日本文化とか、まるで一世代前の日本人論が亡霊のように21世紀に現れたような感じがする。再生産される日本人論の内容を鵜呑みしてしまう消費者はさすがに多くは無いであろうが、消費財としてのこの種の日本人論はもうそろそろバージョンアップしないと見向きもされないりではないだろうか。日本人論を生産する側と、それを読む消費側、その駆引にも関心はあるが、生産する政治家さんたちの美しいとか品格やらといった言葉の自体には、もう消費者である読者を引きつけるような魅力はなくなっているように見えてならないのは、多分わたしだけではないだろう。

by the-third-blog | 2006-09-30 18:05 | その他