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『君に読む物語』

『君に読む物語』_d0004574_14383774.jpgなかなかおもしろい映画でした。よかっただけにあのラストは個人的には納得いかず、残念でした。と、ここまで書いたらチビさんたちが遊びに行こうと・・・戻ったら続き書きますが、ストーリーは下記のような要約がありしたが、宣伝用のものなのでちょっと誇張も。
「・・・・家庭を顧みず、仕事一筋に生きてきたウィルソン、56歳。29回目の大切な結婚記念日を忘れ、妻との生活に危機が訪れる。困り果てた彼は、妻の父であるノアに相談を持ちかける。
ノアはアリーとの愛にあふれた思い出をふりかえりながら、真の愛について静かに語りはじめる。ウィルソンは、ノアから大切なことをひとつひとつ学んでいく。そして、迎えた30回目の結婚記念日。二人は、もう一度恋に落ちることになるー。ひとりの男が、妻の愛を取り戻すまでの奇跡を描いた、感動をよび愛の物語。」

 続き・・・・・<過去>のドラマチックな恋愛ストーリーを、痴呆症が進行して家族が誰であるのかも分からなくなっている妻に語りながら、断絶した<過去>と<今>を繋ごうとする夫。エンディングはこの努力が予想外の結末となるので、納得いかなかっのですが、過去のストーリーと今のストーリーの比重のかけ方、または舵取りが難しい作品なのではないかとも感じました。過去中心で行けば、恋愛物語になってしまうし、今に中心をおくとドキュメンタリー的な介護物語になってしまいそうなところを、うまくバランスをとって、過去のストーリーが進むと、一旦現実である今に戻す、そして最後は現実の中で終わりはするのですが、それを奇跡と評する宣伝文には違和感が残ります。他者の物語を、自己の社会で語る民族誌も、どこか同じような仕組みをもったところを感じましたが、多分批判的なことを書きつつも、この作品がきになってしまうのは、両親が健在な今は介護というところから離れた場で見ているのが、いつかその場の人になりえるという可能性が十分にあるからかもしれませんね。一粒で二つの物語を楽しめますが、その混ざり具合は評価の分かれるところでしょう。

by the-third-blog | 2005-11-19 14:38 | DVD感想・ブログの旅