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週末映画『ゆれる』

 『明日への記憶』をみたときに気になっていた作品なのですが、『フラダンス』なども被っていた頃なので、なかなか見る機会を逃していたのが、この『ゆれる』という作品。

 結論からいうと、なかなかよかったです。兄弟が犯罪を犯すという点においては、あの『手紙』とも重なるところがありますが、役者・演技・演出なども『ゆれる』の方が、私の目には高得点に映りました。『手紙』では、兄との和解が予定調和的に展開していくところが、どうも現実と物語の境界をはっきりと匂わせてしまうところがあるのに対して、『ゆれる』では最後まで兄弟間の関係は不安定のままで、まさに揺れが止まらないまま終わります。まあ、描こうとした方向性も違う作品なので同じ土俵で二つを比較するのもあまり意味のあることではありませんが、オダキリジョウさんの演技はじめて拝見した次第です。
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内容紹介
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。
懐かしい場所にはしゃぐ稔。
稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。
だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。

事故だったのか、事件なのか。
裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。
やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。

by the-third-blog | 2007-07-08 21:58 | DVD感想・ブログの旅